アヴェルノ
作者ルイーズ・グリュック
ルイーズ・グリュックとは?
ルイーズ・エリザベス・グリュック[注 1](Louise Elisabeth Glück [glɪk][1][2], 1943年4月22日 - 2023年10月13日)は、アメリカ合衆国の詩人、エッセイスト。2020年にノーベル文学賞を受賞した[3][4]。
作風は、聖書や神話をモチーフにして直接的に描かれず幻想的に感じます。
しかし、トラウマを抱えた女性にはそのベールに包んでくれたやさしさが彼女の詩を読むのを助けてくれます。
わたし自身もそのやさしい詩に自分のトラウマを思い出し涙を流すことができました。
好きな作品
さまよい人ペルセポネ
第一のバージョンでは、ペルセポネは
母から引き離され
大地の女神は
大地を罰する――これは
われわれが知る人間の振る舞いに合致する。
アヴェルノ P36 さまよい人ペルセポネより
drawing Ebime
母との葛藤を抱えた女性へ、そしてしみわたるようなペルセポネが母から逃れる瞬間。精神的自立。そこには常に「冥界の王」の姿がありました。
おおくの女性が通過する儀式
「婚姻」もしくは「貞操の喪失」もしくは「母以外の人のものになること」
娘が男性とかかわること。
これらはすべて母にとっては事件の始まりなのかもしれません。
女性は一度、ギリシャのペルセポネが冥府に降りたように「母離れ」をしなくてはなりません。
自立を許さぬ親と戦う
簡単なことではありません。神話の世界でも英雄の手を借りたりそうして女性は母親から逃れてきたのでしょう。母は混沌であり、グレートマザーであり、女神としてたくさんの顔を持ちます。
神話や歴史から母なる女神を学ぶ
こちらの本は心理学の観点から、女神の性質、女性の性質、母親の性質や娘との確執など神話と心理学を織り交ぜて楽しく学べます。
わたしはペルセポネタイプでした。自分の原型の女神を知り、あーこういうところあるなーと学びやすいです。『毒になる親』がつらすぎるときはこちらをおすすめします。
占い本のような感じて楽しめます。
おわりに
ルイーズ・グリュックから広げてしまいましたが、心の傷を表現するときありのままでなくても神話や、聖書などふんわりと眉で包むことができるのだと勉強になりました。
母との関係に悩み、つらいかたにはぜひ彼女の「アヴェルノ」を読んでほしいです。